戦後体制という名の気楽な時代

戦後以降の日本経済は国家神道的なケインズ経済学によって雇用と福祉が機能していました。極端に言えば将来の心配をしないで済んでいた気楽な時代でした。それを支えたのがアメリカの経済力と核の傘だったのです。
そんな時代が急変したのが70年代半ばの石油危機で世界が同時不況に陥った。先進国はこれじゃ大変なことになると、そこで急浮上してきたのがレーガンサッチャー新自由主義経済で福祉予算を削減したり終身雇用を廃止していきました。この新自由主義とグローバル主義が融合した経済が現在に至るまで世界を席巻してきましたが、それも副作用が強すぎると先進国内部から反発が起きているのが現在の状況です。

蓮舫氏の二重国籍疑惑は何が問題なのか

田上嘉一  | 弁護士/BUSINESS LAWYERS編集長
2016年9月9日 0時59分 配信

民主党代表戦の抱負を語る蓮舫氏(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
蓮舫氏の二重国籍問題
蓮舫氏の二重国籍問題が大きな話題となっています。

蓮舫氏が台湾籍放棄=二重国籍かは「確認中」

民進党蓮舫代表代行が9月6日、台湾籍を除籍した時期を「確認が取れない」として除籍手続きを取ったのですが、この点について、「二重国籍のまま、首相の座を狙う党代表選に出ようとしていたのでは?」と問題視する声が上がっているわけです。

二重国籍」とはどのように生じるのか?
法務省のサイトにあるように、日本国籍を取得するには、以下の3つのケースが考えられます。

出生(国籍法2条)
届出(国籍法3条、17条)
帰化(国籍法4条~9条)
多くの人は出生によって日本国籍を取得することになるかと思いますが、場合によっては3のように外国籍を持っている方が帰化することによって日本国籍を取得する場合もあります。

このとき、1の出生や2の届出によって日本国籍を取得した場合でも、外国で生まれた場合や親が外国国籍の場合は重国籍となる可能性がありますし、また、3の帰化した場合にも元の国籍が残っていれば、重国籍となる場合があります。

日本の法律は(原則として)二重国籍を認めていない
問題は、日本の国籍法では、原則として重国籍(二重国籍)を認めておらず、国籍の選択が求められています(国籍法14条)。国籍の選択とは、以下の場合に応じて、期限までに日本か外国かのどちらかの国籍を選択することをいいます。
20歳になる前に重国籍となった場合は22歳になるまで
20歳になった後に重国籍となった場合は、重国籍となった時から2年以内
重国籍の人が外国の国籍を選択した場合には、日本の国籍を離脱しなければならず、逆に日本の国籍を選択した場合には、外国の国籍を離脱するよう努力することが求められています(国籍法16条1項)。この義務は努力義務なので、重国籍状態がそのまま違法とはいえませんが、とはいえ、外国籍を離脱するよう努力しなかった場合には違法であるともいえるでしょう。

とはいえ、事実上黙認されている二重国籍
もっとも、実際には国籍の離脱というのはそう簡単な問題ではなく、例えばブラジルには国籍の離脱という概念がないため、日本とブラジルの二重国籍を持つ方も多くいるようです。そんな感じで、日本にはおよそ40-50万人(一説には60万人とも)の重国籍保有者がいるようです。

40、50万人との推定もある二重国籍の実態 「偽装日本人」に深刻リスク

重国籍の人に対しては、外国籍を離脱するよう法務大臣は催告をすることができるのですが(国籍法15条1項)、実際に催告が出された例はないようです。つまり、実際には重国籍であっても黙認されているのが現状と言えるでしょう。

諸外国では二重国籍を認めているところもあるようですし、このあたり実情にあわせて制度を変えていくという議論もあるかもしれません。

じゃ、蓮舫氏って何が問題なの?
蓮舫氏の場合は、1985年に日本国籍を取得した際、父とともに大使館にあたる台北駐日経済文化代表処を訪ね、台湾籍の放棄を届け出たと説明しています。つまり、この発言が正しいとすれば、日本に帰化したのと同時に日本国籍を選択し、外国籍である台湾国籍を離脱しているので、日本の単独国籍であるということになります。

そして、仮に何らかの手違いで台湾国籍が放棄されずに残っていたとしても、外交官の場合とは違って、参議院選挙は、30歳以上の日本国民であれば誰でも被選挙権を有していますので(公職選挙法10条1項2号)、帰化によって日本国籍を取得した蓮舫氏が参議院議員であることについて、法的な支障はありません(もっとも経歴の詐称であったとして公職選挙法235条違反となる可能性はあります)。

問題は、重国籍であるかどうかなのではなく、政治家としての誠実さ、資質なのかもしれません。

9月2日の産経新聞のインタビューでは、「二重国籍ではないのか」という問いに対して「意味がわからない」と回答していますし、続く3日の読売テレビ番組で、台湾籍を「台湾国籍は放棄している」と断言し、時期については「18歳で日本人を選んだ」と語っていました。

しかし、7日に行われた報道各社のインタビューでは、「台湾に31年前の籍を放棄した書類の確認をしているが、『時間がかかる』という対応をいただいた。いつまでに明らかになるかわからない」として、あくまで「念のため」、台湾籍を放棄する書類を再び代表処に提出したと説明しています。

さらには、平成9年に発売された雑誌「CREA」(文藝春秋)のインタビュー記事の中で「自分の国籍は台湾」と発言していることがわかったそうです。これが本当だとすると、記者会見での発言と矛盾することになります。

二重国籍」疑惑 蓮舫氏、平成9年に雑誌「CREA」で「自分の国籍は台湾」と発言

法的に問題がないにせよ、首相をはじめ、政府の要職につくとあれば、他国の国籍を有していることについてまったく問題なしとはならないでしょう。実際にそのつもりがなくても、外国の利益になるよう誘導しているという疑いをかけられる可能性は十分にあります。今回の報道を受けて様々な議論が行われているのを目にしましたが、一般市民の重国籍についての議論と、重国籍者が国家の要職につくことについての議論は、分けて行うべきだと思います。

となれば、様々な事情があったにせよ、やはり国会議員に立候補する時点で国籍について確認を行っておくべきではなかったでしょうか。少なくとも指摘を受けてから確認するという状況は、後手に回っているといえるでしょう。

蓮舫氏はこれまで事業仕分けをはじめとして、舌鋒鋭く様々な問題に取り組んできました。その歯切れの良さや行動力に頼もしさを感じて応援している人たちが多くいるのも事実です。

しかし、政治家、とりわけ一国の宰相ともなれば、攻める場面だけではなく、国政や緊急事態、ひいては自身のあらゆる問題について、被害を最小限に食い止めその後どう立て直していくのか、危機管理を適切に行う能力が求められます。我々が『シン・ゴジラ』でみたように。
その意味で、蓮舫氏はまさに今、その能力があるのかどうなのか、試されているのかもしれません。

なお、外国が一方的に国籍を付与することもできるので、そういう場合に確認するのは難しいという議論もあるようですが、蓮舫氏の場合は、元々台湾国籍を持っていたのだから、どこぞの知らない国が勝手に国籍を付与しているというのとは少し論点が違うようにも思います。


田上嘉一
弁護士/BUSINESS LAWYERS編集長
弁護士。弁護士ドットコム ゼネラル・マネージャー。企業法務ポータルサイト「BUSINESS LAWYERS」編集長。早稲田大学法学部卒、ロンドン大学クィーン・メアリー校修士課程修了。大手渉外法律事務所にてM&Aファイナンスに従事し、ロンドン大学で Law in Computer and Communications の修士号取得。その後、IT企業にて法務・新規事業立ち上げなどを経て、現職。TOKYO MX「モーニングCROSS」、JFN 「Day by Day」などメディア出演多数。最新のITに関する法律問題から、法哲学・法制史、果てはアニメの話題まで幅広く取り上げてまいります。

(C)田上嘉一

衆参同日選回避濃厚

メディアが一致してみるように衆参同日選はほぼなくなりました(?!)。

これを歓迎していたのは①衆院選野党共闘が未だ進んでいない野党民進党自民党議員で選挙区地盤が固まっていない(当選回数の少ない)者達でしょう。

そして安倍総理が同日選を回避した理由は①熊本地震が未だ終息されていない②北海道5区補選での野党共闘実現にある程度の脅威を感じたことではないかが理由として挙げられます。

衆院解散回避が確実と言われるに至ったことで次なる焦点として、では衆院解散はいつなの?。さらに消費増税時期は?

資金力も「自民1強」…1億以上51人中44人
読売新聞 12月5日 21時6分

 2014年の政治資金収支報告書(中央分と地方分)によると、政治資金収入の上位は安倍首相ら自民党議員が多くを占め、資金力でも「自民1強」を示した。

 一方、生活の党の小沢共同代表は前年比3割減となるなど、野党議員は苦しんでいる。

 1億8003万円を集めた首相は、全国会議員でみると5位。資金管理団体「晋和会」と党山口県第4選挙区支部を通じて、3258万円の個人献金を受け取った。作曲家のすぎやまこういち氏が150万円を寄付するなど、個人献金額は全国会議員で4番目に多い。企業・団体献金は4261万円で、家具製造販売大手のニトリホールディングスは480万円を献金した。また、都内で開催した3回の朝食会では6196万円を集めた。

 全国会議員で収入が最も多かったのは、自民党茂木敏充選挙対策委員長だった。計6回の政治資金パーティーで1億945万円を集めた。1億円以上の収入があった議員51人うち、44人を自民党が占めた。

 これに対し、民主党の岡田代表は1億5725万円で、全国会議員でみると10位。党三重県第3区総支部を通じて、ハウス食品グループ本社などから1959万円の企業・団体献金を受け取った。民主党は将来的に企業・団体献金を廃止する方針を掲げているが、岡田氏は11月26日の記者会見で「自民党は派手に集めており、競争条件が同じにならない」と述べ、現状での企業・団体献金を容認している。

対米自立の道は整った


対米自立への戦いの準備は整った!

 
先日、当ブログにおいて我が国への 核の持込みなどを事実上認めた「密約」の存在を、外務省が認めたことについて述べました。

 その中で、その是非はともかく、「非核三原則」などは、自民党佐藤内閣以来、米国との間に核搭載艦の一時寄港を認める「密約」が認め られ、後の歴代内閣によって長期に渡り受け継がれていたことで、結局、リアルな国際情勢の前では画餅にすぎなかったということを証明さ
れてしまいました。
その他、本来請け負う必要も無い、沖縄の本土復帰に際して発生する米軍用地の処理費用を肩代わりすること を認めた「密約」など、対米従属構造をまざまざと見せつけてくれた訳です。
http://www.anti-war.jp/report/report/r_photo06/0305a.jpg
 
核の問題は、大国の思惑をよそに、冷戦当時よりも拡散してしまい、北朝鮮の核開発や中国の軍拡もあって情勢は変化しており、日本に核の存在が必要か否かはより議論されるべきでしょう。
 しかし問題は、「非核三原則」のように、仮に建前であっても、日本政 府が国民に対して国是としてきたことが、アメリカの意向でたやすく覆され、しかも長期にわたってその事実隠さ れてきたことや、日米間での取り決めで当初必要なしとされたことが、国家間の力関係に
よって、たやすく反故にされて来たことにあるのです。

政権は米国抜き日本主導の東アジア共同体創建に直ちに着手せよ!

今回の外務省による「密約」認定には、同盟のはずの日米間に、このような不条理が存在することを、改めて国民に明らかにしたという意 義があります。
 「密約」が存在したこと自体を問題にしている訳ではありません。時の情勢下では国家がそういった判断に迫られることはあると思います。
しかし、そこで交わされた「密約」の内容が現状に即したものでなくなっ たとき、その事実を公表すべきです。
今回のケースでは、米国の顔色を伺う余り、長期に渡って事実が隠蔽され てきたのです。
 それを多くの国民の方に知っていただき、もはや米国に対して「我が国 を守ってくれている」、などという恩義を感じる必要は無いことを理解してもらいたいと思いま す。
そして、日本の全国土から米軍基地を撤廃できる よう、戦列に加わって頂きたいと思います。普天間の移設地は、グアムがいいで しょう。
http://sankei.jp.msn.com/photos/politics/policy/091223/plc0912231843012-p1.jpg
 
日米同盟推進派からは、「核も含めて、米軍のいなくなったアジア極東 地域で、今の日本の力だけで守れる訳が無いだろう」という意見が出るかもしれま せんし、それが国防を考える上で一つの見解であることも承知しています。
 
我が国が米国の意向で国の方針を曲げることを迫られたり、
国民に対して「二枚舌」を共用されるような関係のままでもいいのです か、中国、北朝鮮の脅威を取り除くことが出来さえすれば、自国のことを自国で決めることが許されないような、そんな一方的な関係 を甘んじて受け入れられるのか、ということを問うている訳です。日米地位協定などは、徹底的に見直され
るべきです。
我が国の意思は、外国の思惑などに左右されてはならないのです。
政権は、日米安保条約と日米法的地位協定の破棄を米国に通告せよ!